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第三回 フォントがマッチョかフェミニンか


鈴木 僕は前の会社のいるときにマッチョとかフェミニンとか、
例えばMB101とかを、どう考えてもマッチョだよねとか言っていたんですが
もちろんそういう言い方に、ピンとくる人とこない人がいると思うんですけど
やっぱりあると思うんですよね。
石井書体なんかどうなんだろうね。
石井ゴシックなんかは中庸な気がする。
小澤(Type Project) どっちかというと女性的だと思う。
鈴木 それは石井茂吉さんのもってる人間性というか
中性的な部分じゃないかと思うんですね。
小澤 そういうことになるとエリックギルがなんとかとか・・・
鈴木 きわどい議論だよね。でもそういう感じですよ。
MB101を描いたモリサワ文研の森さんという方に、
十年ほど前にお会いしたんですけど
マッチョではないんだけど、少なくともフェミニンではなかったな。

石井書体
石井書体「日本字デザイン(佐藤敬之助)」のページより
MB101
MB101の文字

加藤 今あるゴシックのフォントの中で
AXIS Fontはフェミニンな方だと思っています。
鈴木 そうですか。僕は、僕自身がマッチョだと思っているので
加藤 新ゴよりもフェミニンに属すると思っています。
鈴木 えっ、そうですか、新ゴと比較してもですか?
加藤 はい。
鈴木 へー
加藤 一般ユーザーが受け止めている感じもそうじゃないかなと。
鈴木 最近は自分自身で見ても、そういう風に感じ事もあるんですけど。
だけど作っているさなかの時には、全く意識してなくて。
全くというと語弊があるんですが
ニュートラルな感じは作りながら意識していたし
フェミニンにもマッチョにも寄らないようには思っていました。
僕はもともとはマッチョな部分が強いと思うので
あえてフェミニンな方向に引っ張っていって
ニュートラルに落ち着いたらいいなと。

一方、小林さん(小林章)が作っているアルファベットを見ていて
「かわいい字」だなぁと見ていたのはあるんですけどね。
人のは良くわかるというか。
アクシスフォント
AXIS Fontのアルファベット

鈴木 男女でフォントの好感度調査みたいなものをやったら違いがでると思います?
加藤 僕はでると思います。
小澤 ちょっと話が変わるんですが、表情の変化とか声の変化とかの認識は女性の方が高いらしいですよ。
鈴木 そことリンクしていたら面白いな。
加藤 文字に対して考える度合いは女性の方が敏感じゃないかな。
小澤 医学的には、女性の方が脳梁が大きいそうで、右脳と左脳の情報のや
り取りがスムーズらしいですよ。
鈴木 女性のほうが同時並行で作業をおこなう能力が優れているという話しを
聞いたことがあります。
タイプフェイス(文字)に対する感性についてもそうだと面白いなあ。
加藤 そういうのはあると思いますよ。
AXIS Fontの使われているレイアウトを見てみると女性的な誌面や
間(スペース)を大切にする場合が多い気がする。
文字の好みに性別は関係してそうですよ。
鈴木 ゆるゆるで組んでも、イメージは割と損なわれないと思います。
文字と文字の間が広い方が、今後何年かの好まれる空気のあり方だとは思います。

加藤 それに加えて、気になることは年々、ひらがなと漢字の大きさの差が広がってきている気がする。
鈴木 うん、それはどう思われています。
加藤 結果的に書き文字に関しては、ひらがなと漢字の大きさの差が広がってきていると思います。
鈴木 なにか書体で例はありますか?
加藤 うーん。難しいな。書体で言うとそれがあんまりないから困っている。
ぜんぜん違う例かもしれないけど「丸明オールド」とかは割と
漢字とひらがなの差が大きい書体ですよね。
レトロな雰囲気以外にも、そういった部分も人気の理由かもしれないと。
あとミウラライナーなんかも、そういった顕著な例だと思います。
鈴木 そうですね。
しかもミウラライナーは漢字の中でも大きさに結構違いがあるなぁ。

丸明オールド ミウラライナー
丸明オールドの文字 ミウラライナー

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